この名古屋探偵ごっこ。実は、半分失敗になってしまったんです。
6時10分前。友人の旦那さまの車が動き始めました。そして、元来た道を戻り始めたのです。
そう、名古屋方面に。
名古屋探偵のわたしと旦那さまも慌てて、そのあとを追います。
カメラの位置を変え、車の進む方向に向け、セット。
もしかして、自宅に連れて行くつもりなのか?と、よくない妄想が頭に浮かぶ。そんなことしたら、名古屋探偵はそのまま調査をすることは出来ない気がした。
無言の名古屋探偵の車内に、緊張感だけが漂っていた。
友人宅へ曲がるための交差点で、車は曲がらず直進。少しほっとして、緊張も緩む。
さらに15ほど進み、到着したのは、名古屋駅?駐車場に車を乗り入れる。
こんな朝早くから、ショッピングとも考えられない。もしかして電車で移動?
わたしも、たぶん旦那も、よりいっそうドキドキしていたと思います。
旦那さまが駐車場に車を入れている間、わたしはカメラをひざ上に構え直す。
普通に構えてしまうと、名古屋の探偵調査をしているのがばれてしまうかも知れない。かなり怪しい人になってしまうので、バンダナをはずして、画面を確認しながら微調節。
名古屋探偵はちょうど、友人の旦那さまと女性が車から降りるところを撮影できた。
早く尾行しなければ見失ってしまう、と思いつつも、なんとか名古屋駅がわかる景色もしっかり撮影しておいた。
カバンだけ抱え、2人のあとを追う。
手をつなぐわけでもなく、寄り添って歩いている。
着いたのは、近鉄電車?先にチケットを買っていたようで、2人はそのまま改札を抜けて行く。
名古屋探偵の旦那さまがあわてて切符を買いに行くが、券売機はたくさんの人であふれていた。
今日はまだ、三が日。初詣に行く人、いっぱいだよね。
名古屋探偵の旦那さまが切符を買いに並んでいる間、名古屋探偵の一人であるわたしは2人をなるべく見失わないように、見張っていた。
2人はコーヒーを買っている。早く、切符買ってきてよ、と名古屋探偵は焦りつつ、はっと気が付く。
前もってチケットを買っていて、電車に持ちこむであろうコーヒーを買うって、行き先は遠方ではないか?と。
旦那さまに知らせようとするが、旦那さまのところまでたどりつけそうもない。
2人を気にしながら、携帯に電話するが、気が付いてくれない。
旦那さまがようやく切符を買って戻ってきた。
入ってきた電車で、2人の姿が見えなくなったところだった。
名古屋探偵は慌てて改札を抜け、2人が行った先に走る。
ホームに姿がない、ということは、今入ってきた電車に乗り込んだのだろう。
注意深く、列車内を確認すると、しばらくしたところで車内に2人の姿を確認。
この電車、指定席の特急電車で、今さら乗ることができないことに気が付く。ここまできて・・・。
特急電車の行き先は、賢島行き。もしかしたら、伊勢神宮なのかな?
さっき、カバンから女性がチケットを出すのを確認したので、チケットは女性の方が手配していたんだと思う。
6時50分。特急電車が出発するのを確認して、わたしと旦那さまはとりあえず帰ることにした。
名古屋の探偵ごっこ。今回はここで終了。 |